正しい食習慣とアンチエイジングフード

 

アンチエイジング,健康寿命,生涯青春

 

健康の根本は、正しい食生活と食習慣にあります

 

本当に健康を求めるなら、それは”口”から。つまり、食事が基本ということです。
医食同源という言葉があるように、日頃から栄養のバランスの取れた食事をとることが健康の秘訣と言えるでしょう。

 

最近よく耳にする”健康寿命”という言葉があります。これは世界保健機関(WHO)が提唱した言葉ですが、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のことをいいます。

 

日本人の平均寿命は現在、男性が79.55歳、女性が86.3歳となっています。(2017年3月厚生労働省発表)
医学的進歩で寿命が延びた分、いかに健康的に生き生きと暮らせるかが問われています。

 

高齢化に伴い、問題視されているのが、医療費の拡大と介護の問題です。
いくら長生きしても大病で動けなくなったりすれば、医療費の増大と共に周りからの援助(心も体も)を余儀なくされます。

 

ともあれ健康であることの有り難さは、年齢を重ねるごとに増すばかりです。私たちの健康を、そして寿命を左右する原因の75%は生活習慣にあるといわれています。
その根本をなすのが正しい食生活と食習慣になります。”食が体を作っている”のは間違いないのですから、何を食べるか、あるいは食べてきたかがその人の健康や体力といったものを方向付けるのは当然です。食生活は人生そのものと言えそうです。

 

 

「健康」志向に応じて、補助食品としてのサプリメントも充実していますが、やはり根本は正しい食生活と食習慣にあります。

 

「健康」と「健康寿命」への関心の高まりを受けて、体に必要な栄養素が豊富に含まれ、老化防止に効果的な食材、いわゆる「アンチエイジングフード」が注目されてきています。

 

「アンチエイジング」というのは、抗加齢や老化防止を意味する言葉ですが、世間的には美容の面でよく目にするようになったように思います。肌年齢と言ったように。
もちろんそれも含めて、体の中からそのアンチエイジング効果を支える食材があります。
ここでは、その代表的な食材を紹介します。

 

 

身近なアンチエイジングフード

 

納豆(ネバネバ食材) 血液をサラサラに

 

アンチエイジング,健康寿命,生涯青春

納豆やオクラ、山芋などはネバネバしていることが特徴の食材ですが、この粘りの元はムチンという物質です。このムチンは糖質の吸収を抑え、血糖値の急激な上昇を抑える働きがあります。

 

血糖値と言えば、生活習慣病の1つされる糖尿病を思い浮かべます。糖尿病は、脾臓から分泌されるインスリンという血糖値を下げるホルモンの分泌量が減ったり、働きが悪くなることで高血糖状態が続いて発症する病です。

 

ムチンを含む食材を習慣的に食べることで、インスリンというホルモンの働きがよくなり、糖尿病の予防や低血糖症に効果が期待できます。
さらに、腎臓や肝臓の機能を向上させる働きもあり、細胞を活性化してくれるので、老化を防ぐ働きもあるのです。

 

ムチンを多く含む食材には、上記のほかに里芋、レンコン、モロヘイヤ、ナメコ、昆布などがあげられます。ちなみに、ウナギやドジョウなどの体の表面を覆うあのヌルヌルの正体も、実はムチンです。

 

特に、発酵食品の代表でもある納豆には、ナットウキナーゼという成分が含まれており、血管の中の血栓を溶かす働きがありますので、血液の流れを良くしサラサラにしてくれる効果があります。

 

また、発酵食品としての効果(※1)により、消化が良くなり、栄養素が吸収しやすくなるほか、栄養価を高め、食材に含まれる成分が菌と反応して、新たな成分を生み出したりします。こうした働きにより、体内を活性化したり、不要な物質を排出したりしてくれるのです。

 

※「発酵」とは、簡単に言えば、細菌や酵母類などの作用によって、人類にとって有益な物質となることです。

 

 

リンゴ 皮ごと食べましょう

 

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体に溜まった毒素や老廃物のほとんどは尿や便から排出されます。果物は全般的に水分が多いので、利尿によるデトックス(解毒)効果が期待できます。

 

厚生労働省では、生活習慣病を予防し、健康増進のために、果物を1日に200g摂ることをすすめています。 しかしながら、統計によると、必要な摂取量の半分ぐらいしか取れていないのが現実です。

 

リンゴの場合、中くらいのものでも230グラムあるので、たった1個で一日分の必要量を取る事ができます。
リンゴには、プロアントシアニジン(※2)やカテキンというポリフェノールが高濃度で含まれています。

 

ポリフェノールといえば、抗酸化作用と言って、体内の細胞を酸化させ、老化やいろんな病気を引き起こす活性酸素の除去に効果を発揮します。

 

これらのポリフェノールは、リンゴの皮の下に最も多く含まれていますので、よく洗ったものを皮のまま食べることがおすすめです。

 

それ以外にも、同じ抗酸化作用のあるビタミンCや疲労回復を助けてくれるクエン酸などのミネラルも豊富に含まれています。

 

(※2)プロアントシアニジンは、カテキン分子がつながった構造を持つポリフェノールで、最近、抗酸化物質として注目され、ブドウ種子、松樹皮、リンゴ未熟果実などに由来するものが食品や化粧品成分として利用されてきています。
(引用:長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 天然物化学研究室 http://www.ph.nagasaki-u.ac.jp/lab/natpro/research/kinousei.html

 

 

サケ(鮭) 認知症予防に

 

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魚と言えば、サンマやアジなどの青魚があげられます。脳の老化を防ぐDHAや動脈硬化を防ぐEPAが多く含まれているからです。

 

DHA(ドコサヘキサエン酸)・EPA(エイコサペンタエン酸)は、オメガ3脂肪酸(必須脂肪酸)とよばれます。(→体にいい油

 

さらに抗加齢(アンチエイジング)という目的では、サケ(鮭・サーモン)が注目されます。サケは赤い身が特徴ですが、これはアスタキサンチンと呼ばれる天然色素で、強力な抗酸化作用があるため 、細胞の老化を防ぐと共に、認知症予防の効果も期待されています。

 

その他に、ビタミンA(目の健康・風邪の予防など)、ビタミンB2(皮ふや粘膜の維持を助ける)、ビタミンD(カルシウムの吸収を助ける)、ビタミンE(抗酸化作用)なども豊富なので、中高年の生活習慣病(動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞・糖尿病など)を防ぐためにも最適です。

 

”朝食にサケ”は理にかなった健康食というわけです。

 

 

トマト 抗酸化力が強い

 

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野菜はビタミンやミネラル、食物繊維が豊富なため、毎日バランスよく食べることで、体の機能を維持するための栄養素のほとんどを補うことができます。

 

野菜の中で注目したいのがトマトになります。野菜や果物などの天然の色素をカロテノイドといいますが、その中のひとつにトマトの赤い色素をリコピンといい、抗酸化力にとても優れています。

 

リコピンの抗酸化力は、同じ抗酸化作用のあるビタミンEの100倍以上。

 

老化の原因とされる活性酸素を無害化するだけでなく、紫外線によるメラニンの生成も抑制してくれます。

 

 

卵 健康を支える万能食材

 

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卵は”コレステロールが比較的多いため、1日に1個か2個まで”──とかつて言われていました。実はこれは誤りで、食事でのコレステロールは気にしなくてもよいということが最近明らかになっています。厚生労働省でもコレステロール摂取の上限値を撤廃しました(日本人の食事摂取基準 ─2015年版─ 策定検討会 報告書)

 

卵は鶏のひながかえるために必要な栄養素がそろっているため、人間が必要としている栄養素がほとんど含まれています。

 

たとえば、卵黄に含まれている成分のレシチンは、悪玉コレステロールの除去を促したり、認知症予防の効果も期待されています。

 

また、体をつくる栄養素であるたんぱく質、認知症やがんの予防に役立つコリンというビタミン様物質(ビタミンと同様の作用を持つ成分)も含んでいます。

 

アルツハイマー型認知症のリスクを低下させるビタミンD、体の免疫力を高めるリゾチームもあり、まさに万能食材といえます。

 

食材として優等生の卵は、調理法も様々です。ただ、調理法によって、栄養価に若干ながら変化は生じます。加熱すると熱に弱いビタミンB群などの減少が多少あります。

 

また、「レシチン等の脂質は60℃以上の加熱で壊れ始めることから生食が合理的だとされています」
(引用:JA全農たまご株式会社  http://www.jz-tamago.co.jp/e05_4_10.php)

 

無駄なく卵の栄養分を吸収するには”生が合理的”となっていますが、注意すべきことがあります。
生の卵白に含まれるアビジンという成分が、「ビオチン」の吸収を阻害するため、生での摂りすぎには要注意です。
ビオチンというのは、皮膚や毛髪の健康にも関わっていて、このビオチンが不足してくると、抜け毛が多くなったり白髪が増えてきます。

 

アビジンの作用を抑え、卵をより健康に食べるには、半熟程度か、温泉卵のように少々加熱した方が良いでしょう。多少の栄養分が減るといっても栄養価に大差はありません。

 

あと、卵焼きや目玉焼きなどの加熱調理の場合でも、腸でのビオチンの吸収はスムーズに行われるので、欠乏症になることはありません。

 

※油を使う場合は、体にいい油を使いましょう。(→体にいい油 悪い油

 

 

ブロッコリー 野菜の王様

 

アンチエイジング,健康寿命,生涯青春

野菜には体に欠かせない栄養素が豊富にあることは既に述べましたが、最近、野菜の栄養素として注目されているのがファイトケミカル(植物化学物質、非栄養素=機能性成分)です。
主な働きとして、抗酸化作用、免疫力を高める作用、解毒作用が上げられます。
また、健康促進の期待から、炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維に続いて第7の栄養素と呼ばれています。

 

野菜は日光を浴びて生育しますが、紫外線などの有害なものは遮断したり、無害にしながら成長していきます。
ファイトケミカルとは、植物が紫外線や外敵から身を守るための色素や香り、辛味やネバネバなどの成分をいいます。野菜(植物)の防衛機能成分としてのファイトケミカルは、私たちの体にとっても極めて有効な成分です。

 

様々な野菜に数千種類あると言われていますが、そのうちの200種類以上のファイトケミカルを持っているのがブロッコリーです。

 

抗がん作用が期待されているファイトケミカルのほか、抗酸化作用のあるカロテンやビタミンC、葉酸や鉄などの様々なビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富にあり、まさに「野菜の王様」といったところです。

 

 

参考1:「食ではじめる生活習慣病の予防と対策」一般社団法人 機能性食品普及協会
参考2:麻布医院 免疫栄養学 http://www.azabu-iin.com/meneki/index.html

 

 

食生活のポイント

アンチエイジング,健康寿命,生涯青春

@「腹八分」を心がける。理想は「腹七分」
健康への戒めとして、「腹八分目に病なし」あるいは「腹八分目に医者要らず」とかよく言われたものです。満腹まで食事をすると、消化器系に大きな負担がかかります。その解消法として、おなかいっぱいに食べない方がいいということです。ちょっと食べたりないくらいでやめましょう。

 

Aバランスよい食事
魚、肉、野菜、豆などの食材のバランスを整えれば、自然と栄養のバランスも整います。
糖質を抑えて、たんぱく質やミネラル、ビタミンなどの栄養をきちんと摂ることです。

 

B炭水化物を取り過ぎないように  
不要な栄養である糖質を避けることが健康への近道。特に白米や白パンといった精製された主食は極力抑えましょう。玄米などの未精製のものを少量に。

 

C空腹の状態を作る
1日3食おなかいっぱい食べる人は、1日の中で空腹を感じることがほとんどありません。実は、空腹の時間こそが老けない体を作るための大切な時簡になります。空腹は、長寿遺伝子が活性化している証です。

 

参考:金沢医科大学 教えて!ドクター 第4回 http://www.kanazawa-med.ac.jp/~hospital/2012/07/20127.html

 

D午後8時までに夕食を終える
眠るときに、おなかの中に食べ物があると、体内は消化活動を行っている状態にありますので、睡眠が妨げられるとともに、消化も悪くなります。

 

加えて消化吸収の時間も短くなり、肥満につながります。それゆえ、理想としての夕食は、朝や昼よりも軽い食事を午後8時までには食べ終えるようにしたいものです。
要は、就寝する3時間以内は食べない方が良いということです。

 

Eゆっくりかんで時間をかける
早食いは太るもとです。満腹中枢に「おなかがいっぱい」との信号が届くのに20分ぐらいかかると言われます。この満腹中枢が動き出す前に食べ終えると、結果的に食べ過ぎてしまいます。

 

よく言われることですが、ゆっくりかんで(一口30回)、時間をかけて食べることが大切です。そうすると、消化もよくなり、脳の血流も増えてアンチエイジング効果が高まります。

 

F食事の順番は野菜から
食事はまず野菜から食べましょう。食物繊維は牛肉などの動物性脂肪に吸着して体の外に出す働きがあり、また食事の際の血糖値の上昇を抑制する効果があります。

 

G魚を積極的に
魚にはEPAやDHAなど脳の活性化や老化防止、動脈硬化の抑制など、健康長寿に役立つ栄養素がたくさん含まれています。

 

魚の油に多いDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)はオメガ3脂肪酸
といい、いわゆる”体にいい油”のことです。

 

肉は食べ過ぎないようにしましょう。肉には飽和脂肪酸が多く中性脂肪を増やすもととなります。飽和脂肪酸はオメガ3脂肪酸と違って細胞膜の中に入ることはできず、もっぱらエネルギー源として使われます。そのため必要以上にとると、余った飽和脂肪酸が中性脂肪になって血液中に増えてきます。