骨粗鬆症がもたらす大腿骨骨折

健康と生活習慣

関西女性は骨折しやすい…その原因は腸内細菌!

女優の黒柳徹子さん(84)が、右足の大腿(だいたい)骨を骨折した。自身のインスタグラムで「実は、私、1か月前に足を骨折してしまい、手術を受けました」と明かしている。(2017年9月下旬)

 

 

ご自身が主演の舞台を車椅子で乗り切ったとのことだが、原因については明かしていない。

大事に至らなくて何よりですが、この年齢では寝たきりにも成りかねないのが大腿骨骨折です。

 

 

骨密度が下がる病気の骨粗鬆症が進むと生じやすいこの大腿骨骨折について、最近(2017年10月)、大阪医大や近畿大の研究グループがまとめた調査結果が注目をされている。
 
 
調査内容は、レセプト(診療報酬明細書)を基に作成された厚生労働省のデータベースを活用したもので、2015年の40歳以上の患者15万2千人を都道府県ごとに振り分け、人口10万人当たりの発生率を男女別に算出したものです。(男女の比率を見ると、男性で約3万2千人、女性で約12万人と、女性が圧倒的に多い)
 
※女性が多いのは、閉経後、エストロゲンが急減し、骨密度も低下し、骨の強度が低下してしまうからです(既述)
 
 
都道府県別の発生率は、全国平均を100とすると、女性で最も高かったのは兵庫で120。続いて和歌山(118)、沖縄(118)、大分(116)、奈良(116)の順に。

 

 

男性の方は、高い方から順に、沖縄(144)、長崎(126)、和歌山(126)、佐賀(124)、兵庫(121)、鳥取(121)と。

 

 

一方、発生率が低いのは男女とも秋田(男性63、女性65)、青森(男性65、女性68)岩手(男性70、女性68)、宮城(男性73、女性71)、北海道(男性78、女性75)の順で、63~78という数字に。
最も低い秋田の男性と、最高値だった沖縄の男性では2.3倍近い開きに。

 

 

100を基準に全国を色分けしてみると、主に関西、九州、沖縄の西側と東北や北海道の東側とでくっきりと「西高東低」の傾向が確認された。(図:日本地図参照)

 

 

大腿骨部位の骨折は、「骨粗鬆症」が進むことで置きやすい骨折です。

今回の調査では、地域格差の原因については明確にされていませんが、大腿骨骨折のリスク要因は、BMI(体格指数)の低さ、喫煙、多量飲酒、ビタミンDの不足。そして、”人は食べたものがその人を作る”といわれるように、食生活が関係している可能性が高いという。

 

 

各都道府県の生活習慣などの県民性に詳しい、ナンバーワン戦略研究所代表の矢野新一氏はこう語る。

「私は、①カルシウムが含まれる牛乳などの乳製品の摂取量②1日の歩数など運動量③性格──といった3つの要素が影響しているのではないかと推測しています。

 

 

とくに沖縄や九州の人は牛乳の消費量が少なく、県庁所在地と政令都市52都市中、那覇市52位、長崎市47位。一方で酪農王国と呼ばれる北海道など北の地域では、多くなります。

 

 

また1日の歩数も長崎37位、佐賀32位、大分30位と少なく、大腿骨骨折の発生率に連動しています。

 

 

そして東北の人は、何事にも慎重なので、つまずくことも少ないのでは。
どちらかというと関東より西の人たちのほうが、おっちょこちょい、せっかちな性格ですので、つまづき、結果的に骨折するといことも多いのかもしれません」(引用:「女性自身」2017年11月7日号)

 

 

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骨粗鬆症による大腿骨骨折を防ぐ~エクオール

骨密度を守る エクオールとは?

 

大豆に含まれる「大豆イソフラボン」は女性の美容、更年期障害の軽減などに効果のある成分として注目されていますが、その他に、女性ホルモンのエストロゲンと似た働き(破骨細胞の働きを抑える)をしています。

 

 

最近の研究では、この働きの源になっているのがエクオールという成分であることがわかっていきました。(「スーパーイソフラボン」とも)

 

 

「10mgのエクオールを12ヶ月飲み続けた人は、骨密度の低下を抑えられるといったデータもあり、骨粗しょう症予防と改善のほかにも、更年期障害の症状を和らげる効果が期待できます」(高輪台レディースクリニック 尾西芳子副院長:「女性自身」2007年11月7日号に掲載)

 

 

※大豆製品から摂取する大豆イソフラボンには、3種類の物質「ダイゼイン」「グリシティン」「ゲニスティン」があり、このうち「ダイゼイン」が腸内細菌によってエクオールに変化する。

 

 

エクオールを作れる人と作れない人がいるのはなぜ

 

実は、いくら大豆イソフラボンを摂取しても、エクオールを体内で作ることができない人も多く、日本人では2人に1人がそれに該当し、また地域別に見ると、関西に比べて、関東のほうがエクオール産生者が多くなっています。(第24回日本疫学会発表、2014)

 

上記のように、大豆イソフラボンの「ダイゼイン」がエクオールに変わるには、腸内細菌がいて、それがきちんと働いてくれる腸内環境が整っていなければなりません。

 

この腸内環境を整えるということには、私たちの食生活が大きく影響しています。

これについては大豆製品を食べる習慣が関係しているのではないかと推測されています。

 

※疫学研究の結果をもとに全世界のエクオール産生者の割合を見ると、日本、中国、台湾などの大豆の食習慣がある地域ではエクオール産生者が約50%であり、その他の欧米及びオーストラリアでは約30%となっている。

 

 

この差はどこから生まれるのでしょうか?

 

 

これについてはいろいろとまだ研究が続けられていますが、日本における地域差は”納豆文化”が関係しているのではとの説があります。
納豆を食べることで、腸内環境が整えられ、エクオールを作りやすくなるのではないかということです。

 

 

納豆には、カルシウムの骨への取り込みを助けるビタミンKも豊富に含まれています。

 

 

総務省の家計調査による地域(都市)別の納豆消費量(支出金額)は、全国平均の約3,600円に対して、福島市、盛岡市、前橋市、水戸市、山形市といった東北、北関東の都市が上位を占めていて5,000円以上となっています。

 

 

一方消費量が少ない都市としては、和歌山市、徳島市、大阪市、高知市、堺市、高松市、神戸市などで、1,600円台から2,500円台と全国平均を下回っています。

注目すべきは、大腿骨骨折発生率の上位である兵庫と和歌山があることです。

 

 

納豆消費量を全国的に見ると、それは”東高西低”となっており、大腿骨骨折の”西高東低”と正に表裏となっています。(図参照)

 

 

出典:総務省家計調査(二人以上の世帯) 品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市(※)ランキング
平成26年(2014年)~28年(2016年)平均
※図は品目の納豆消費量のみを抜粋し、消費量が多い順に並べたものです。

 

 

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大豆イソフラボンは取りすぎにも注意

エクオールを作るため、あるいはビタミンkを摂取するためには、”納豆がおすすめ”…のようですが…。

実はやみくもに食べればよいというわけではありません。
大豆イソフラボンは取りすぎにも注意が必要です。

厚生労働省の国民栄養調査に基づく大豆イソフラボンの摂取量(日常摂取量)は、平均で16~22mg/日、上限としては、70~75mgと設定されています。

 

 

(参考)
【食品安全委員会】
6.2 大豆イソフラボンの安全な摂取目安量の設定の検証
6.2.1 閉経前女性、閉経後女性及び男性

 

 

閉経前女性
16㎎/日 + 30㎎/日 = 46㎎/日 < 70~75㎎/日

閉経後女性
22㎎/日 + 30㎎/日 = 52㎎/日 < 70~75㎎/日

 

 

男性
18㎎/日 + 30㎎/日 = 48㎎/日 < 70~75 ㎎/日

(30mg/日:特定保健用食品としての大豆イソフラボンの一日上乗せ摂取量の上限値)

 

 

[安全性について]

食品安全委員会は、「大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の安全性評価の基本的な考え方」の中で、この上限値について、「なお、大豆イソフラボンアグリコンの一日摂取目安量の上限値、70~75 mg/日は、この量を毎日欠かさず長期間摂取する場合の平均値としての上限値であること、また、大豆食品からの摂取量がこの上限値を超えることにより、直ちに、健康被害に結びつくというものではないことを強調しておく」という考え方を示しています。

 
 
※大豆イソフラボンアグリコン
大豆イソフラボンは通常は糖が結合した構造をしていますが、糖がはずれた構造のものを大豆イソフラボンアグリコンといいます。
 
大豆イソフラボンアグリコンは、分子構造がヒトのエストロゲン(女性ホルモン)に似ているため、エストロゲンに似た作用を生じることが知られています。 エストロゲンは、第二次性徴の発現や月経周期の調節などの重要な働きを担っています。(厚労省:大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A)
 
大豆および大豆加工食品に含まれる大豆イソフラボンの食品100g中の大豆イソフラボン(アグリコンとしての)含有量
 

食品名(検体数) 平均含有量(mg/100g)
大豆(11検体)     140.4
煮大豆(3検体)     72.1
揚げ大豆(1検体)    200.7
黄粉(2検体)      266.2
豆腐(4検体)      20.3
凍り豆腐(1検体)    88.5
おから(1検体)     10.5
金山寺みそ(1検体)   12.8
油揚げ類(3検体)    39.2
納豆(2検体)      73.5
味噌(8検体)      49.7
醤油(8検体)      0.9
豆乳(3検体)      24.8

 
※厚生科学研究(生活安全総合研究事業)食品中の植物エストロゲンに関する調査研究(1998)より
 
「現代人の食生活では、大豆製品の摂取が減少しているので、毎日、納豆1パックか豆腐1丁の3分の2を食べる習慣をつけるといいでしょう。
エクオールを作れない人はサプリメントで補うことも可能です」(前出 尾西さん)
 
40代以降の女性、個人差はありますが、特に閉経後の女性は、今までの食習慣を見直し、大豆製品の摂取を取り入れた和食中心の食生活と、あわせて適度な運動も取り入れて、骨太を維持する生活習慣を築きましょう。
 


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